ウルトラマンの大好きな少年新星 勉は、母親に「卒業したら?」と言われつつも、
今日も「ウルトラマンガイア」のビデオに見入っていた。 番組のクライマックス。突如テレビ画面から強烈な光があふれ、それに包み
込まれた勉は不思議な光景を幻視する。
浮遊する赤い玉。そして炎に包まれて滅びていく世界と、廃墟にたたずむ美しい
少女。「何も、変わらない‥‥」少女は悲しげなまなざしを勉に据え、つぶやいた。
翌日、勉のクラスに七瀬リサという少女が転入してくる。その顔を見て驚く勉。
リサはあの夢の中の少女とうり二つだった。
休憩時間、地面に怪獣と闘うウルトラマンの絵を描いている勉の元に、リサが
近付いてくる。リサは破壊される街の絵を見て悲しそうだった。
勉の夢の話を聞き、「予知夢ってやつかな」と微笑むリサ。いいムードの
二人だったが、勉のウルトラマン好きを揶揄するいじめっ子、浩たち3人組の
出現で、勉はリサに情けない姿を見せてしまう。
秘密基地にしている廃工場で「きっと嫌われたよな」と落ち込む勉。そんな勉の前に、
夢で見たあの赤い玉が現れる。「望みが、かなう。何でも願えばいい。
願えば、すべて現実になる」玉は勉にささやいた。
翌日。優等生の友達、優とリサを伴い、再度廃工場を訪れる勉。「願ってみたら?
勉君が一番、現実にしてみたいことを。」リサに促され、勉は半信半疑のまま叫んだ。
「もし、なんでも願いがかなうなら、僕は本物の、本物の我夢に会いたい!」願いを
受け、玉がまばゆく輝いた瞬間。
空に突如として広がる大海原。そしてそこから我夢を乗せたファイターEXが勉たちの世界に出現した!
いきなり見知らぬ場所に放り出され、面食らいつつ街の上空を飛び回る我夢。それを
見上げ、有頂天になった勉は集まってきた子供たちに赤い玉を見せながら
「僕が我夢を呼んだんだ」と自慢するが、そこに現れた浩たちは勉の「妄想」を
嘲笑し、赤い玉を奪い取る。
「お前なんか怪獣に踏みつぶさせてやる」浩の言葉に反応した玉は再びまばゆく
光り、街にサタンビゾーを出現させた。
ガイアに変身し、サタンビゾーを倒した我夢は勉と出会い、自分が赤い玉の力で
パラレルワールドに呼び寄せられたことを知る。
玉のデータをスキャンし、分析しようとする我夢だったが、「謎の危険人物」と
見なされて警官隊に取り押さえられそうになる。そのとき、玉の効力が切れたのか、
我夢はEXもろとも勉の世界から元の世界へ戻ってしまった。
赤い玉の力でもう一度我夢を呼ぼうとする勉だが、玉は浩たちに奪われてしまった。
取り返すことを初めから諦めてしまった勉に、リサは「また大切なものがたくさん壊れる」
と悲しげにつぶやいた。
元の世界に戻った我夢は、勉の世界での記憶を失って自分の日常に戻ろうとしていたが、勉から「サインして」と渡されていた「ガリバー旅行記」を目にして記憶を取り戻す。
PCのデータに残っていた玉の「記憶」を幻視した我夢は、玉の恐るべき正体を知る。
心に思い描いたことをすべて現実にする赤い玉。別次元の文明が生み出した究極の
マシン。 しかし、それは造られてはならないものだった。終わりのない欲望に、
ついには自ら滅びていく人類。いくつもの世界を滅亡させ、玉は時空を
さまよい続けていた。そして今、勉たちの世界が滅亡しようとしている。
赤い玉を手に入れた浩たちは、想像力を駆使してとてつもなく強力な怪獣を生み
出そうとしていた。
我夢は開発途中だった時空移動メカ、アドベンチャーを利用し、勉の世界へ
戻ろうとする。一見不可解な我夢の行動を信じ、発進を許可する石室コマンダー。
勇気を出して玉を取り戻そうとした勉に対し、浩は大人たちや社会に対する不満を
ぶちまけ、「こんな世界滅ぼしてやる!」とついに最強怪獣、キングオブモンスを
呼び出してしまった。街を破壊し、暴れ回るキングオブモンス。
「ガリバー旅行記」を道標に、ついに勉の世界にたどり着くアドベンチャー。我夢は
アドベンチャーを戦闘モードに変形させてキングオブモンスに挑むが、怪獣の反撃に
アドベンチャーは破壊されてしまう。間一髪、ガイアに変身してキングオブモンスと
激闘を繰り広げる我夢。
熱に浮かされたように怪獣を応援する浩。苦戦するガイアの姿に、勉は勇気を
振り絞って浩に体当たりする。
手にしていた赤い玉が転がり落ちた瞬間、夢から覚めたように正気に戻る浩は、
破壊されていく街を見て愕然とする。玉を拾い上げた優に、「早く怪獣が消えるよう
願うんだ!」とせき立てる勉。
だが、赤い玉によって自らの中に眠る昏い破滅願望を呼び覚まされた優は、
「この世界を壊してもっと自由で楽しい世界を創る」と、キングオブモンスから
更に2体の怪獣、スキューラとバジリスを分離・出現させてしまう。
3体の怪獣に包囲され、絶体絶命のピンチに陥るガイア。キングオブモンスの放った
熱戦の直撃を受けてまっぷたつになる学校。屋上に立っていた勉たちをすさまじい
衝撃と振動が襲う。かろうじて柵にしがみつく浩たち。赤い玉は屋上の反対側に
転がっていってしまった。
もはや反撃のすべもなく一方的に攻撃を受けるガイアをなんとか救おうと、
勉は赤い玉を目指して瓦礫の細い橋を渡り始める。校庭に立ち、その姿を見つめる
リサ。廃墟に立っていたあの少女の姿がオーバーラップし、悲しげな声が勉の耳を
打つ。
「やめて、勉君。何も変わらないわ‥‥」
「変わらないことなんて、ないよ!」
勉は叫び、瓦礫の橋が崩れる寸前、赤い玉に向かってジャンプした。
ようやく玉を手にし、怪獣を消して我夢を助けて欲しいと願う勉だが、なぜか願いは通じない。戸惑う勉に、玉は「もう、実体化したものを消せはしない。手遅れだ。
すべて終わる。」と冷たく告げる。
落胆し、絶望に駆られる勉を、優や浩たちが「あきらめるな!」と必死に励ます。
「そうだ、一人なんかじゃない。ウルトラマンだって!」
勉がそう悟った瞬間、バジリスの放った炎が学校を直撃!衝撃で勉たちは
全員宙へ放り出されてしまう。
玉をしっかり抱きしめたまま「光よぉー!!」と叫ぶ勉。その瞬間、めくるめく
白い光が、世界を包み込む。
光の中から出現したのは、ウルトラマンティガとウルトラマンダイナだった。落下する
少年たちを手の平で受け止め、そっと地面に降ろした二人のウルトラマンは、
力強く振り向くと光線を放って怪獣を牽制し、ガイアの元へ駆けつける。互いに
見つめ合い、一斉に怪獣に挑みかかる3人のウルトラマン!
ティガはスキューラと、ダイナはバジリスと、そしてガイアはキングオブモンスと。
海中、宇宙、そして地上で繰り広げられる激闘。
ティガとダイナがそれぞれの必殺光線でスキューラとバジリスを葬り去ったとき、
ガイアもスプリームとなり、フォトンストリームでキングオブモンスを粉々にうち砕いた。
闘いを終え、ティガとダイナが見守る中変身を解き、勉たちの元へ戻っていく我夢。
赤い玉を手にした勉に、リサは「玉の力でまた新しい街を創る?
もっとすばらしい願いだってかなえられるよ」と問いかけるが、勉の願いはただ一つ。
自分たちが世界を滅ぼしてしまわないよう、玉を永遠に消すことだった。
勉の言葉にうれしそうに微笑むリサに「君だったのか」と問いかける我夢。
赤い玉とリサは一つのものだった。数え切れない世界の破滅を見続けてきた
リサの悲しい旅が、ようやく終わろうとしている。玉を消すことがリサとの別れを
意味することを知って葛藤する勉に、我夢は「もう勉は、自分自身で
決められるはずだ。」と静かに語りかける。
辛い選択をし、ついに「玉よ、消えろ!」と願う勉。「ありがとう。君は、未来を
守ったんだよ」勉に微笑みかけ、玉と共に消えていくリサ。
玉の力が消えたことで、ティガ・ダイナも光となって消えていく。そして我夢も‥‥
「これのおかげでまた会うことができた」我夢は勉に「ガリバー旅行記」を返し、
元の世界へと帰っていった。
何事もなかったように平穏な朝。勉たちのクラスに一人の少女が転入してくる。
「七瀬リサです。よろしくお願いします」挨拶し、勉を見やって微笑むリサ。
「僕が守った未来‥‥」勉はつぶやき、微笑んだ。
元の世界に戻った我夢は、今日もファイターEXで出撃する。「この世界は
滅んだりしない。絶対に!」我夢は一人力強くつぶやいた。
学校の屋上でリサに「ガリバー旅行記」を見せる勉。最後のページには、
我夢からのメッセージが残されていた。
「世界は滅びたりしない。 君たちが明日を信じる限り。
|