御 法 度 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 1865年・夏、京都。西本願寺の新選組道場では、総長・近藤勇(崔洋一)、副長・土方歳三(ビートたけし)ら立ち合いのもと、新隊士を選ぶ試合が行われていた。志願者の相手をするのは、新選組きっての剣の使い手・沖田総司(武田真治)。その中に、ひときわ目を惹く者がいた。鮮やかな白袴に身を包み、息を飲むような色気を放つ美貌の青年・加納惣三郎(松田龍平)である。この日、入隊を許されたのは惣三郎と田代彪蔵(浅野忠信)の二人だけであった。 隊士たちの寝起きする大部屋には厳しい戒律の「法度」が掲げられている。「きみはなぜ新選組に入ったのだ」と尋ねても、ただ謎めいた笑みを浮かべるだけの惣三郎に、田代は強く惹かれていく…。翌日、惣三郎は御法度を破った隊士の処刑を命じられる。血しぶきひとつ浴びず見事に首を切り落とした惣三郎に、土方は勇気とは違う何かを感じ、かすかな違和感を抱く。 隊してひと月もたたないうちに、惣三郎をめぐる噂が囁かれ始める。いわく、「加納はまだ女を知らない」「田代は加納に言い寄っているが、加納は田代を避けている」「しかし、前髪を落とそうともしない加納にそのけはたっぷりある」 ある日、土方は、惣三郎と田代に試合を命じる。腕は明らかに惣三郎がまさっているのに、試合では田代に圧されている。「こいつら、できたな」土方は確信する。その試合をもうひとり食い入るように見つめる男がいた。惣三郎に激しく想いを寄せる湯沢藤次郎(田口トモロヲ)である。 秋。一つの事件が起こる。惣三郎が新選組結成時からの主要メンバーである井上に稽古をつけてもらうことになるが、剣術のからきし下手な井上への遠慮から不様な稽古になってしまう。それをのぞいていた何者かに嘲笑されたのだ。「新選組とはこの程度か…」 新選組の体面を傷つけてしまったと深く恥じ入る惣三郎の心の揺れに乗じて、湯沢は彼を祇園へと連れ出し、関係を結んでしまう。 必死の探索の末、惣三郎は相手の素性をつきとめ、井上と二人でアジトに乗りこむが、二人とも怪我を負ってしまう。沖田の部隊に救われ、屯所へと戻る道すがら、田代は惣三郎にぴたりと寄り添い名前を呼び続ける。その様子を湯沢は嫉妬に燃える目つきで見つめていた。それからしばらくして、湯沢の斬殺死体が発見される。監察の山崎蒸(トミーズ雅)が調査にあたるが、犯人はわからずじまいだった。 春。隊に衆道がはびこることを恐れた近藤は、惣三郎に女を教えるよう、土方を通じて山崎に命じる。しつこく誘う山崎が自分に気があると誤解した惣三郎は、徐々に山崎に好意を示すようになる。ともすると惣三郎の魅力に惑わされそうになる自分を戒めて、山崎は島原の遊郭・輪違屋で錦木太夫(神田うの)をあてがった。しかし、山崎と夜を共にできると信じていた惣三郎は女を拒んで帰ってしまう。次の夜、山崎が夜道で何者かに襲われる。男が逃走した後には小柄が残されていた。その小柄は田代の物であった。湯沢殺しの犯人も田代であると判断した近藤は、惣三郎に始末を命じ、介添人に土方と沖田を指名する 斬殺の場となる河原で二人を待つ間、沖田は土方に、『雨月物語』の中の「菊花の契」という、信義を守ろうとして殉じた男と男の美しい話を語る。さらに沖田は、これは衆道の交わりを結んだ二人の男の物語だと言う。沖田の話を聞いて、土方の目に幻影が浮かぶ。それは、惣三郎をめぐる新選組の男たちの関係を暗示する不思議な幻想であった…。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||